4月7日(金)晴れだが雲多し
いよいよ今日からキャンプ開始だ。
ホテル前のブラックスワンカフェでとっても美味しいイギリス風の朝食を戴いてから(この店の朝食が旨いと、昨夜、お土産物屋のおじさんから教えてもらった)パース市の郊外にあるHertzまでタクシーで行くことにした。
約30分24$。(タクシーの初乗りは2$だから、人数が多ければバスより安く早く目的地に着くこともある。
さあ、ここからが正念場。日本を出る前から、一番心配していたのがレンタルモーターホームだ。
お金も日本で既に支払い済みだけど、本当に予約できているのだろうか?車載の調理器具や寝具は、どの程度あるのか?
いやいや、その前に私達は、自分たちが、どのモーターホームを借りたのかさえ確認できなかった。
解っているのは4ベットでクラスCみたいな形をしていて、写真で見る限りではワーゲンベースであろう ということだけ。
不安を押さえつつ中に入っていくと、フォードのデリバンベースのような小さなキャンパーが停まっている。これなら良いなと思ったけど、そうか、我々が借りたのはワーゲンベースだったけ。

手続をとるために、宮ちゃん、とりちゃんが事務所の中に入っていくが、私は荷物番のため外で待っていることになった。
暇なのであっちこっち見回すと、トレーラーと4WDがとても多い。
本当は、私達もその組み合わせで借りたかった。でも、2台分のレンタル料金となると、今の私たちには無理だ。
いわゆるOut backと呼ばれる、一番オーストラリアらしい場所に行くためには、やはり4WDでないと無理だろう。
トレーラーを切り離してキャラバンパーク(キャンプ場)に置き、砂漠に入っていく。人工的な灯りの何も無い所で車を降り、見上げると満天の星空が、なんて良いよね。やってみたいよね。ああ、今は無理でもいつかきっと...1人で決意に燃えていると、事務所の中からとても明るい笑い声が聞こえてきた。
そばによって聞き耳を立ててみるととても分かり易い言葉を選んでお話ししてくれているようだ。私の位置から担当の方の顔は見えないが、どうやらとても親切な方のようだ。
良かった、やっぱり第一印象ってあるものね、旅の始まりが良ければ、ずっと良いことがあるような気がするもの。
あんなに笑っているから、余程良い担当にあたったんだな、と思っていたら、私が今まで担当させていただいた方々のお顔が、次々と浮かんでくる。 皆さん、私は今オーストラリアにいます。色々な体験をして、次にお逢いできた時には沢山の情報を皆さんにお伝えできるよう、元気に行って参ります。(今日は一人で盛り上がることが多い。)


程なくして、2人が出てきた。その後ろから担当の方が。一見、インド系かスリランカの方だろうか、小柄な男性はすてきな笑顔で挨拶してくれた。いよいよ、私達のモーターホームと対面の時がやってきた。
ん?あれ、さっき良いなって思っていたモーターホームだ。やったー、嬉しい!さい先良いな、この旅はきっと上手くいくぞ。
さて、モーターホームの内容はバンクとダイネットでベッドは4人分。
トイレはカセット式(初めての体験)で冷蔵庫は2Way(NoGas)のコンプレッサー付き、90g位の容量か。発電機はないが電子レンジが搭載されている。
キッチンは広々、シンプルでとっても使いやすそうだ。大小お鍋、フライパン、やかんにトースター、食器からナイフ、フォークは勿論、缶切り、包丁までほとんどの台所用品は乗せてある。
寝具の他にタオルも充実していて、思っていたよりりっぱなコンビニエンスキットだ。
オーストラリアは左側通行のためエントランスも左側、運転席は右側、ディーゼル車。


ジョーク混じりの楽しい説明を聞き、ショッピングセンターの場所を教えてもらって、いざ、出発。私達が買ったのは洗剤類、水、食料の他大鍋一個、ザル、レードル、キッチンペーパー、ティッシュペーパー、調味料など、大きなカートに山盛りで114$。日本円で8千円にもならない。海外はこれが嬉しいよね。
この調子で2週間ほど海外で過ごし、日本に帰ってからコンビニに行って買い物すると、アッという間に4千円位になっちゃてビックリするんだな、これが。


その日の昼食はモールの中のカフェですませ、次は私達の大切なお酒を買いにリカーショップへ。VBビールを1箱(30本入り)、カスクという4g入りの箱に入った赤ワインを2箱購入した。
ワインはさすがに値段も様々、種類も様々、とても充実している。フルボディが好きな私達は、中でもちょっと高めのワインを買った。
それでも、宮ちゃんが選んだドライワイン4gで15.80$、私が選んだシラーズ種が4g19$。やっすーい!!ああ、のんべ天国だ、オーストラリアは。
今度こそ本当に出発、ということで我々のM/Hは街を離れ、どんどん走っていく。
走り始めて1時間も経たない内に、道ばたでワラビーの死体を見つけた。かわいそうに。車が走っていなければ、いや、道がなければ、いやいや、人がこんな所に入って来なければ、死ぬこともなかったのに。
心を痛めている間にも、ワラビーの遺体はあっちこっちの道ばたに転がり、嫌でも目に入ってくる。
すると、なに?あれ。道ばたに木で出来た小さな十字架、ちゃんと花輪まで掛けてある。よく見れば、あっちこっちに十字架が立っている。
どうやらワラビーのお墓らしい。交通事故で亡くなったワラビーの死を悼み、お墓を作ってくれる人がいるんだ。少し気が楽になった。 ずっとずっと続くまっすぐな道。アスファルト脇の赤土、灌木の上に広がる青い空。何だかオーストラリアが楽しくなってきた。
気が付くと、空が夕焼けに染まっていた。眠ってしまったらしい。


助手席では宮ちゃんが、懸命に地図を見ている。とりちゃんもキョロキョロしながらハンドルを握っている。道に迷ったのだろうか。余計なことは話しかけない方が良いと判断して静かにしていると、辺りが真っ暗になる頃、小さな街のGSに入った。


そこで給油をし、キャラバンパーク(キャンプ場)の支払いもするらしい。
暗くて良く分からないけど、随分小さいんだね、オーストラリアのキャンプ場って。
取りあえず、サイトに入り、ACをとる。男女別トイレ、シャワールームにランドリーがあって、パワーサイト1泊10$。
 さあ、食事の用意をしなくっちゃ。今晩のメニューは、さっそくオージービーフのステーキにサラダ、ご飯にみそ汁。
ゆっくりと食事をとって片付けをすると、もう11:00近い。シャワーは明日にしてとにかく寝ようとベットメイクしていたら、外からとりちゃんの呼ぶ声がする。

急いで外に出ると、空を指さし「サザンクロスだよ」
エー!それって、南十字星ですかい?興奮状態のまま、見方を教えてもらうと、確かに十字型の星がある。
割と小さいが、とても存在感のある星座だ。じーっと見ていると目が慣れてきて、見える星の数がどんどん増えていく。
天の川が夜空に横たわっている。南十字星の右上には、星雲らしき星の塊が見える。
そして、左側にはそこだけぽっかりと丸く真っ暗な空間が。アボリジニの言葉で、あの空間を何とかと呼ぶんだっけ。何だっけな。ワインでほろ酔いの頭では、なんとも思い出せない。
まあいい、とにかくなんて星がいっぱいあるんだろう。外は震えがくるほど寒かったけど、私達は1時間近く空を見上げていた

走行距離と経由地  Parth 〜 Williams 〜 Wickepim 〜 Kondinin 351q
宿泊場所      Kondinin Gordon St. Kondinin Caravan Park ★☆
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