4月20日(木)快晴
昨日の天気がウソのよう、朝から素晴らしいお天気となった。
絶好のゴルフ日和でしょう。町の中心からゴルフ場までタクシーで7分くらい。
銀座4丁目交差点からタクシーに乗って、渋滞していたら新橋にも行けないような時間で、緑豊かな公園内のゴルフ場に着くなんて、何て羨ましい。
オフィスに入り、レンタルクラブ(フルセット)、手押しのカート代とプレイフィーを支払う。一人49$、約3,200円で18ホールパー70、5,887bのコースでプレイが出来るわけだ。
地元ならば自分のクラブを持ってくるだろうから、プレイフィーの25$を払えばいいだけ。
スポーツが好きな人にはたまらない国だよね。何て話しをしてたら、実際にスポーツ、特にゴルフが好きで、オーストラリアに住んでしまった日本人に出会った。
名前は井出さん、コースの専属プロだそうだ。
コース内は公園だから人の出入りが自由なため、バッグなどの荷物は見えないようにゴルフバックの中にきちんとしまうこと。(木の陰から子供が飛び出してきて、金目の物などを奪って逃げるという事件が、続けて2回起きているらしい。)距離を表す木の杭の見方など、親切に教えてくれた。
さて、日本ではキリスト教徒の方でもない限り余り馴染みのないイースターだが、オーストラリアではとってもポピュラーなホリデイらしい。
丁度、日本のゴールデンウィークのような感じで、人々は5日〜1週間のお休みを取る。スーパーマーケットにはプレゼント用の卵型のチョコレート(とてつもなく巨大な物もある)が山と積まれ、大きなカートいっぱいに買って行く人も結構見かけた。
今日はそのホリデイの初日に当たっているため、コースは混雑しているようだ。と、言っても日本のゴルフ場の混雑とは全然違うけど・・・
スタートホールで順番待ちをしていたら、係の人がやってきて、「1人で来ている人が居るから、4人で一緒にプレイしてくれ」といって来た。勿論、異存はないけど、私が足手まといにならなければいいけどな..不安な気持ちのままスタートを切った。
案の定、ボールは1発目からラフへ、ラフはとても強くなかなかフェアウェイに出てくれない。あ〜あ、前途多難だ。

救われたのは、一緒に回る事になったジョンさんのお人柄。多分中国系の方だと思うが、物静かな紳士でありながら、良いショットが出ればタイミング良く声を掛けてくださる。
その逆だと見ない振りをするか、慰めてくださるという具合で、一緒にプレイしていて大変気持ちの良い方だった。



何ホールめだったか、打下ろしのホールで私がティグランドに立っていると、向こうからエッホエッホと走ってくる人がいる。公園をジョギング中の人らしいが、こっちのことはお構いなしで実にマイペースに走っている。
上手な人なら、打っても当たらないだろうけど、私の場合ボールの行き先はボールに聞いてね、の腕前だからおとなしく走り去るのを待つことにした。
じっと待ってる私を気にするでもなく、挨拶もせずに相変わらずエッホエッホと走り去っていった。
次はボールが例によってラフに入ってしまったとき、距離表示の杭に、オシッコを引っかけている小型犬を連れたお兄さんに出会った。
お兄さんは「いい天気だね。ゴルフに最適だ。」などと言いつつ、ワン子の糞の始末をして、手を振って立ち去っていった。いずれも日本では考えられない出来事。
以前とりちゃんシドニーでゴルフをしていたとき、前の組の人達が、突然、お弁当を広げてランチを始めたって聞いていたが、うん、此処ならあるだろう。
ゴルフは特別なスポーツではなく、誰もがリーズナブルに楽しめるスポーツなんだね。
でも、このコースを甘く見てはいけない。
メートル表示だから、何だかピンと来なかったけど、結構な距離もあり、アップダウンもあり。おまけに水も持たずにコースに出た私達は、喉の乾きと、足の疲れでほとほと参りました。
正直言って、15ホールを終わった時は、本日はこれでご勘弁下さい。と言う気持ちになっていた。残り3ホールは何でも良いから早く終わらせたい、それしか考えてなかったもん。手押しカートの重かったこと、重かったこと。
やっとホールアウトして、ジョンさんにお礼とお詫びを言ったときはもうヘロヘロ。(ジョンさんはバットスコアゴルファーぶりを詫びた私に、「とんでもない!楽しくプレイすることが1番大切なんだよ。」と、微笑んでくれた)
ラウンジに入っても、ビールさえ受け付けないほど私は疲れていた。スコアメイクより、先ずは体力作りから始めないといけないようでありました。アハハ...。


お腹ペコペコだけど、疲れきって重い物は食べられない私達は、シドニーでも大変流行っているホットドッグの屋台、ハリーズカフェで遅い昼食をとることにした。
名物のホットドックは大きくて、一個でちゃんと食事になる量がある。オージーはおやつにしてるみたいだけどね。
血糖値を上げてから、疲れた足を引きずりながら歩くこと10分。南半球最大の繁華街と呼ばれる、キングスクロス、通称キンクロ(最近はクロス)に出た。
実は、昨日買い物の下見に来ていたのだ。お目当ては旅行用のバッグ。私が長年愛用してきたバッグは、布製のため、遂に底の部分がすり切れてしまっていた。
新しいのがずっと欲しかったけど、高い物だし、なかなか思い切れずにいたのだが、二回りほど大きなバッグが95$で(約6,200円)売っていたため、ケチな私も買う決心をしたのだ。
お店のおじさんは、昨日も来てじ〜とバッグを見つめていた私を覚えていてくれたのか、何も言わなかったのに90$にまけてくれた。5$あればホットドッグとコーラを買ってもお釣りが来る。どうもありがとう。1食分浮きました。
さて、キングスクロスの街だが、この街は独特の匂いがある。正直言って臭い!バリ島の市場のような匂いだ。
イースターホリデイのため、人出は昨日よりずっと多く、ゴミも多い。と、そこへ清掃局の方々がドドッとやって来て、アッという間に道を掃き清め、ゴミ箱のゴミを空にしていく。
見事なお仕事ぶり!シドニーの街並みがきれいなのも、彼らの活躍があってこそ。
感心して見ていると、人の怒鳴り合う声、ケンカが始まったようだ。
誰かが通報したのだろう、パトカーのサイレンが聞こえた途端、蜘蛛の子を散らすように居なくなってしまった。
休日にも関わらず、今日はパトカーの数が多い。あっちこっちでサイレンを鳴らしている。
「週末はいつもこうですよ」と、とりちゃん。治安の良い国だが、犯罪はある。観光客が、足を踏み入れてはいけない場所もある。
都市ならば、どこもが抱える問題だろう。最も、最近は都市以外でも色々な事件が起きているけど。
一旦ホテルに戻り、シャワーを浴びてから食事のためもう一度キンクロに出掛けた。
昼間より更に人が多くなって、とてもエネルギッシュだ。ポン引きのおじさんも、客引きに躍起になっている。
日本語で「シャチョー、いい娘いるよ、どう?どう?」なんて言ってるが、どこで覚えたんだ?そして、ビルの陰には、派手な服装の怪しげな女性がポツン、ポツンと立っている。
そういう職業の女性達だそうだ。濃い化粧をして、どこか投げやりに、淋しげに見えた。今も、外をけたたましいサイレンを鳴らして、パトカーが走り回っている。
今頃キングスクロスは、酔っぱらいで溢れかえっているだろう。
シドニー最後の夜は、星も見えないほど、まん丸の十五夜お月さんが、明るくきれいです。


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