4月16日(日)晴れ
キャンプ最終日となってしまった。
長かったような、短かったような、いや、アッという間だった。
欲張っていろんな場所をリクエストしたから、移動時間がとにかく長く、ずっとハイウェイを走っていたように感じていたけど、振り返ってみれば路側帯の土も、北に行けば行くほど、それこそ燃えるような赤に変わっていった。ダイネットの窓から(時々ウトウトしながら)、空の色、海の色、土の色、そして空気の色、ゆっくりと変化していく景色をのんびり眺めていられた時間は、大変貴重な時間であったと、今思える。
とにかくあと1晩、私達のキャンプはこれで終わりなのだ。
今日はパースの隣、フリーマントル泊の予定。





のどかな牧場の間を抜けて行くと、ブドウ畑が目に付き始める。スワンバレー、ワインの産地として有名な場所だ。レモンかオレンジか黄色い実が、木いっぱいに実っている。もう、見納めかと思うと眠ってなんかいられない。
1つ1つ、目に焼き付けておこう。








車がぐっと多くなった。パースに近いんだな。
この10日間、ほとんど信号で止まることもなく走り続けていたので、信号で止まる度、都会だなあと思う。これぽっちの距離、ハイウエイなら10分もあったら着くはずなのに、都会は不便なもんだ、と。(もう、東京には住めない?)
フリーマントルはパースから車で30分程の港町だ。

日曜日には市場が立つ事で有名らしい。そして、今日は日曜日。市場に向かう人々の車で、道は混んでいる。
港近くの駐車場にM/Hを停め、さあ、市場見学に出掛けよう。
時間は丁度お昼時。どのカフェも人で溢れんばかりだ。
うん?子供が白ワイン飲んでるぞ。いや、よく食べるオバサンだ。マンウォチングしながら歩いていくと、お店から人がこぼれ落ちそうな程、込み合っているパブがある。Red Backという地ビールを自家工場で作り、その場で飲ませてくれる有名なパブだそうだ。このパブを目印にして角を左に曲がると、そこは大道芸人達のお仕事場。
黒山ならぬ金髪の人だかり。鳥笛を売ろうと必死に大声あげているおじさん、残念ながら売れ行きは悪い。道端には、若者がお手製のアクセサリーや絵を売っている。これは何処の国も同じだね。




音楽が流れ始め、お揃いのドレスを着た女の子達が踊り出した。
アイリッシュタップダンスだ。上半身は全く動かさずに、足だけが別の生き物の様にタップを踏む。小学生の低学年くらいの子から、中学生くらいまで4人。
見事な足技でした。





裏路地に入ると市場だが、私達が入ったところは食品売り場だった。
果物、野菜、ナッツ売り子は中国系の方が多い。
とりちゃんによると、マーケットより新鮮で安いため、1週間分の買い物だめをする事が多いそうだ。
確かに大箱を右手に抱え、左手でトマトを1箱カフェのウェイトレスのように器用に運ぶおばちゃまがいたり、よっぽどスイカが好きなのか、箱に幾つもの大きなスイカを入れてもらい買っていくおじさんもいる。
その他、衣料品、アクセサリー、食器、おもちゃ、お土産物等小さい店がびっしり。
人混みの中を何とか一通り見終わると、もうおなかペコペコ。
魚を売る店でお寿司が食べられるようだったけど、私達は市場の中の小さな中華料理さんで昼食を食べることにした。基本はチャーハンと焼きそば、それに3種類のおかずを選ぶ事ができて5.3$。みんな、中華に飢えていたので、掻き込む様にして食べる。ほっとする味。
中華料理はどこの国に行っても大体あって、ありがたい存在だ。


お腹もいっぱいになったところで市場から出ると、人出も大分減っていた。地ビールが飲めるパブの前では、大道芸人のお兄さんが、鉄柱の上で火を吹くパフォーマンスをやっており、それが大受け。横目でパフォーマンスを見ながら店に入ると、運良く1つだけ席が空いていた。
ガラス越しに、ビールを製造する機械を見ながら飲んだ Red Back Beerは、ちょっと青草味があり、レモンのスライスが入っていた。

久々に街で遊んでチェックインしたキャラバンパークは4つ星半だった。
星5つが最高らしいが、星がついて無いキャラバンパークもある。(ジェラルトンのカンガルーのキャンプ場にも星がついてなかったけど、私が星5つを差し上げましょう。)
どのキャンプ場でもレセプションでチェックインした後は「好きなところにどうぞ 」となり、混雑していない限りサイトを指定される事はない。
しかし、西オーストラリア最大の都市パースのすぐ傍で、イースターホリデイ中の今日は混雑しており、親切に係の方がサイトまで誘導してくれた。
M/Hがサイトに収まると、施設内の説明をしてくれ、「釣りはするの?今日は生憎、クラゲが多いんだ。しない?じゃ、良かった。」なんて話しかけてくれる。
隣のサイトには80歳近いご夫婦が2組、それぞれテントを張っており、ニコニコしながら挨拶をしてくれた。
早めにシャワーを浴びて、残り物で夕食を作っていると、お隣のサイトからイカを焼く良い匂いがする。一口でも良いから恵んででもらいたいと思いつつ、飲みきってしまったため今日はワインも無しだ。
夕食後、10日間お世話になったM/Hのお掃除を始める。
勿体ないけど、使い切れなかった調味料を捨て、冷蔵庫の中をきれいにして、食器や鍋を元通りにラッピングし、キッチン、トイレも丁寧に掃除した。無駄にした食料はタマネギ1個、食パン3/1。
衣類も棚からバッグに移し、掃除が終わると親しんできたM/Hから生活感が無くなって、何だか淋しい。
今まで、何台となく中古車として M/Hをいただいて来たけど、手放すオーナーさん方はもっと淋しく感じられたことだろう。
床の掃除は明朝にするとして、今夜は早めに眠ろう。
明日はシドニーだ。淋しいな。


走行距離と経由地 Moore 〜 New Noreia 〜 Perth 〜 Fremantle 221q
宿泊場所    Fremantle cockburn Rd Munster Moodman Point Holiday Park ★★★★☆
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