9月18日 晴れ。


昨日落陽を見た漁港にから観光船に乗ることになった。
知床の自然や滝を、船の上から鑑賞しよう というより、船に乗って行かないと
見られない景色なんだ。
乗船券を買うのを待っている間、何気なく売店を見やると「カモメの餌」なる物
を発見。 奈良公園の鹿せんべいみたいのを想像したが、何のことはない。
「かっぱえびせん」でした。 だけど、子供達が喜ぶかな と思い1袋購入。
観光船のデッキでは、大人も子供も景色を楽しむどころかカモメの餌やりに夢中!
さすがに船の折り返し地点での、何とも言えない海の色と2つの滝には目を奪わ
れたけど。
全行程90分の間、ずっと船を追いかけてきたカモメと海猫の皆さん、お疲れ様。





昼食後は知床五湖を回ることにした。運が良ければ熊を見ることも だそうな。
しかし、今年は猛暑と台風の影響からか、山で餌を採れない熊が人里に降りてき
て、人や農作物に多大な被害を与えている。
しかも、知床に生息するのはヒグマでしょ!?
念のため!と、父から持たされた熊よけ用のカウベル(なぜ牛用??)は持参し
て来たけど。
結構なトレッキングとなった五湖巡りは、三湖を見た所で引き返した。
後々、四湖まで行っていれば...と思うのだけど、それは後のお話し。




知床半島を横切るように、山の中を羅臼に向かう。
初めて見るオホーツク海はすぐそこだ。 日本列島を囲む海の名前は、小学校の
時勉強したはずだけど、実際に見るのは初めてだ。



オホーツク海は今の時期、静かでちょっと寂しい色をしていた。
すかさず携帯で写真を撮り、地元の友人に写メール送信。 
俗っぽいのが抜けなくて、どうもすみません。










偶然の再会!
さて、羅臼港に着いたらそこは本当に北の漁港の風情。 
しかし、全国から集まった釣り人が乗っているのだろうモーターホームやキャン
ピングカーが結構な数で停まっていた。 駅前の道の駅は既に満杯。
取り敢えず漁港の駐車場に停めたが、今夜のキャンプ場を探さなくてはいけない。
E家族には先に釣りを始めてもらうことにして、ステージアップ一行は今夜の宿
を求め、直接キャンプ場に行ってみることにした。
すぐ側のキャンプ場は、急勾配の坂がクラスAにはちときついだろう と結論し、
来たときに通った道を戻っていった。
羅臼は温泉も出て、道沿いにホテルが2軒並んで建っている。 道の向かいには
トイレ付きの大きな駐車場があるのだが、何気なくそこに目をやれば...
「あーーー!!」全員が叫ぶ事になった。 私たちに大変馴染み深いクラスBモー
ターホームが停まっていたからだ。 とにかく、我々もその駐車場に車を入れて、
様子をうかがうことにした。 
残念ながら誰も乗っていなかったけど、ナンバーから、ある方を思い出していた。
失礼を承知で助手席を覗いてみれば、顔見知りの猫ちゃんがシートに寝ている。
「トマト?」恐る恐る名前を呼んでみれば、振り返って「にゃー」と返事してく
れるではないか。 間違いない!!と確信し、携帯に電話したけどつながらず。
名刺にメモを残して隙間に挟み、取り敢えず港に戻ることにしたけど、その時に
は今夜の宿はこの駐車場 と決まっていた。
トイレもあるし、通りの向こうのホテルでは宿泊客以外でもお風呂を利用できる。
とても好条件の駐車場だった。


釣り人憧れの羅臼は魚が大変濃いらしい。いや、濃い。
そして、初心者に優しい。
通称ガヤ、蝦夷めばるが、これでもかーー! と言うほど釣れてくれる。
あまりに釣れて面白くてしょうがなかったらしく、日が落ちて手元が見づらくなっ
た状態でも、釣りを続けてしまう程の豊かな海。
多分、本人達は気付いてなかったろうけど、みんな顔がニマニマしていたもん。
今夜は釣りの夢を見るんだろうなぁ なんて、のんびり見ていた私も体験させて
もらったけど、釣り糸を垂らして30秒ほどでガヤが釣れました。

E夫人はまな板と包丁を防波堤に持ち出し、その場で釣れた魚を捌いていく。
「漁師の妻と呼んでちょーだい」と言っていたけど、はい、尊敬の気持ちを込め
てそう呼ばせて頂きます。
子供達も沢山釣れて、実に満足そう。
宮嶋に至っては満面の笑みで、頭の中じゃ
既に漁師の自分を想像しているのだろう。

さすがに目が利かなくなった頃、今夜のみそ汁になる分だけを海から恵んで頂い
て持ち帰る。 必要以外は釣れた傍から全て海に帰した。

先程の駐車場に戻ると、名刺を残したモーターホームから灯りが漏れていた。
ちょっとドキドキしながら、ドアをノックする。
現れたのは、やはり思い描いていたご夫妻でした。 久しぶりの再会を心から喜
び、豊富な体験から北海道を良くご存知のご夫妻から色々と情報提供して頂く。
話しの中で、お互いに走行中の姿を見掛けていたこと、ご夫妻も今日知床五湖巡
りをされたこと。
四湖では対岸にヒグマの親子がいて、木登りや水遊びをしていたなど教えて頂い
た。 時間的には私たちよりちょっと早かったようだが、頑張って四湖まで歩い
ていっていたら、貴重な体験ができたかも知れなかった。ちょっと残念。

羅臼温泉の白濁した気持ちよいお風呂に入り、ガヤの美味しいみそ汁とスペアリ
ブが今夜の夕食。 今夜も酒を酌み交わし、気持ちよく眠りについた。